歯間ブラシとフロスが臭う!? 歯間に潜む臭いの原因とは?歯周病・虫歯・歯垢・歯石、その臭い元とは
- 2017/11/26
- 口臭の原因と対策

歯間ブラシが臭いと、結構ショックですよね。。。。
目次
歯間ブラシやデンタルフロスが臭い?その原因を知りたい方へ
通常の歯ブラシでは届かない歯と歯の間に詰まった歯垢を取ることのできるアイテムが、歯間ブラシやデンタルフロスです。多くの歯科医院では、歯ブラシによる歯磨きに加えて、こういったアイテムで歯と歯の間の汚れをとることを推奨しています。
しかし、それらを用いると、磨き終わったあとの歯間ブラシやデンタルフロスの臭いが気になると感じている方は多いのです。
歯間ブラシやデンタルフロスが臭うということは、普段から自分の口も口臭がキツいのでは?と不安になってしまいますよね。歯間ブラシやデンタルフロスが臭う原因は一体何なのでしょうか。
歯間が臭くなる原因について(歯垢・歯石・虫歯・歯周病・被せもの)
歯と歯の間が臭くなる原因は、大きく分けて4つあります。
歯垢・歯石が原因
歯垢はプラークとも呼ばれるもので、口内細菌の塊を指します。この口内細菌が、ミネラルを取り込んで固まったものが歯石です。口内細菌は、口内に食べかすとして残った糖分やたんぱく質を餌にします。
このとき、口内細菌は食べかすを分解するのですが、菌によって糖分やたんぱく質が分解されるということは、発酵と同じ意味合いを持つのです。つまり、口の中で食べかすが腐ってしまうのです。
この結果、歯垢からは強い悪臭がするようになります。尚、歯垢は歯磨きで取り除くことができますが、歯石は歯科医院で削らない限り取り除くことはできません。
歯周病が原因
歯周病とは、歯茎が炎症を起こして周囲の骨などに悪影響を与える病気です。歯を磨いたときに血が出る場合は、高確率で歯周病の可能性があると言えるでしょう。
歯周病にかかっている口内は、歯と歯茎の間に大きな溝ができています。これを歯周ポケットと呼ぶのですが、この歯周ポケットの中で口内細菌が増殖し、強烈な臭いのガスを発生させます。
また、歯周病が進行すると腫れた歯茎から膿が出る場合があります。これらが歯周病による歯間の悪臭の原因です。
歯科医師からの歯周病の注意点はこちらです。
歯科医師「虫歯がなく歯に自信がある人ほど要注意」な理由を聞きました。
虫歯が原因
虫歯で歯と歯の間が臭くなる場合は、歯と歯の間に虫歯ができている場合のみです。通常イメージされるような、一本の歯のかみ合わせの部分から虫歯菌が歯を溶かしている場合は、歯間ブラシやデンタルフロスが臭くなることはありません。
虫歯菌が歯を溶かすことによってできた穴には、食べかすなどの汚れや口内細菌が溜まりやすくなっています。先に述べた歯周ポケットのように、この穴の中でも口内細菌が増殖しガスを発生させることで、強烈な悪臭の原因となるのです。
被せものが原因
虫歯などを治療した際の被せもののサイズが合っていないことや、虫歯を掘った穴に埋めた詰めものなどがずれている場合も悪臭の原因となります。被せものや詰めもののサイズが合っていないと、実際の歯との段差となる部分に汚れが溜まりがちです。そこに溜まった食べかすなどの汚れも口内細菌の餌になりますから、結果的に歯垢が溜まりやすくなり、悪臭が発生することになります。
歯間が臭い!その対策方法について
歯と歯の間の臭いについて、大きく分けて4つの原因があることがお分かりいただけたかと思います。それでは、これらを原因とする臭いには具体的にどのような対策をとってゆくべきなのでしょうか。
歯間ブラシの選び方
・針金タイプかゴムタイプか
歯間ブラシには、針金タイプとゴムタイプの二種類があります。歯と歯の間に差し込んで汚れを取る部分が、針金で出来ているものとゴムでできているものの違いです。
針金タイプは洗って繰り返し使うことができますが、ゴムタイプは基本的に使い捨てです。衛生面が気になる方や、いちいち洗うのが面倒な方はゴムタイプを用いましょう。
また、ゴムタイプの歯間ブラシは歯茎を傷つける可能性が低いため、歯間ブラシ初心者の方にもゴムタイプがおすすめです。ただし、針金タイプの方が歯と歯の間の汚れを落としやすいことは覚えておくべきでしょう。
・テーパータイプかシリンダータイプか
歯間ブラシのブラシ部分が、先端から根元まで同じ太さになっているものを「テーパータイプ」、根元から先端にかけて徐々に細くなっているものを「シリンダータイプ」と呼びます。
テーパータイプは歯と歯の間に挿入しやすく、歯の隙間が細い人や、歯間ブラシ初心者の方におすすめです。ただし、シリンダータイプの方が歯垢を除去できる度合いが高いです。
そのため、歯の隙間がさほど細くない方は、テーパータイプからはじめて、慣れてきたらシリンダータイプに移行するのがよいでしょう。
・歯間ブラシのサイズと長さ
歯間ブラシには、さまざまな大きさと長さのものが用意されています。奥歯用の歯間ブラシは、持ち手の部分が長くデザインされているものが多いです。また、ブラシ部分のサイズも様々なものがあります。
これは、奥歯と前歯では歯と歯の隙間の幅が違うためです。歯間ブラシ初心者の方には、自己判断で複数種類の歯間ブラシを使い分けるのは、難易度が高いでしょう。可能なら、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士に相談をするのが確実です。
歯間ブラシの使い方
歯間ブラシは、歯に対して必ず垂直に挿し込むように気を付けましょう。奥歯や犬歯にはつい斜めに挿し込んでしまいがちですが、それでは歯と歯の間の汚れを取り除くことはできません。
歯と歯の間に垂直に歯間ブラシを挿し込んだら、そのまま前後に動かします。このとき、上下に動かしたり斜めに動かしたりすると、歯と歯の間の汚れを奥へ押し込んでしまう可能性がありますから注意が必要です。
また、歯と歯の間で歯間ブラシを回転させるのもよくありません。多くの場合、歯間ブラシのパッケージの裏には正しい使い方が記載されています。
ブラシのタイプによって正しい使い方は微妙に異なりますから、購入した商品のパッケージにある使い方をしっかりと読み、それに沿って歯間ブラシを用いるのがよいでしょう。
デンタルフロスの選び方
・ホルダータイプかロールタイプか
デンタルフロスには、ホルダータイプとロールタイプの二種類があります。ホルダータイプとは、プラスチックの持ち手にフロスが取り付けられているタイプです。ロールタイプとは、フロスを切り取り指に巻き付けて使用するタイプです。
ホルダータイプは初心者にも使いやすいですが、使い捨てであるというデメリットがあります。一方ロールタイプは、タコ糸などのようにまとめて購入することができますが、使うたびにカットしたり、指に巻き付けたりと何かと手間がかかるのが特徴です。
・F字型かY字型か
同じホルダータイプのデンタルフロスにも、F字型とY字型が存在します。文字通り、プラスチックの持ち手がアルファベットの「F」に近い形をしているか「Y」に近い形をしているかの違いです。F字型は前歯に、Y字型は奥歯に使いやすい形です。
全ての歯と歯の間の汚れをきれいに取り除くためには、F字型とY字型を併用することが理想的です。必ずどこかからはY字型に切り替えると決まっているわけではありません。
人によって歯の生えている角度は違いますから、F字型で前歯からデンタルフロスを用いていって、F字型では歯と歯の間の汚れが取りづらくなったと感じた場所から奥をY字型で掃除するのがよいでしょう。
デンタルフロスの使い方
デンタルフロスにはロールタイプ・F字型・Y字型の三種類があることをご説明しましたが、使い方はどれも大きくは変わりません。歯と歯の間にデンタルフロスを当て、ゆっくりと横に動かしながら根元まで差し込みます。
奥まで差し込んだら、何度か上下させることでフロスに汚れを引っ掛けます。それが終わったら、最後もまた横に動かしながらデンタルフロスを取り出して終了です。
尚、ロールタイプの場合はこの手順の前に、40センチほどの長さに切り取って、左右の指に巻き付けるというステップが必要です。
銀歯がある場合
銀歯と普通の歯の間を歯間ブラシやデンタルフロスで掃除しようとしたら、銀歯が浮き上がった、という体験をされた方は多くいます。
これは、サイズの合っていなかった被せものが浮き上がりかけていたところを、歯間ブラシやデンタルフロスで持ち上げてしまったことが原因です。
銀歯の周囲を歯間ブラシで掃除する場合は、上でも述べた通り「歯間ブラシを上下に動かさない」ことを徹底しましょう。上下に動かさなければ、銀歯が浮き上がることもありません。
デンタルフロスを用いる場合は、少々難易度が上がりますが、ロールタイプのものを用いることをおすすめします。そして、デンタルフロスを下に下げて汚れを取った後は、片方の指に巻き付けていたフロスを離して、横からフロスを抜き取るようにして外しましょう。
そうすることによって、銀歯がフロスに持ち上げられて浮き上がることを防止することができます。
歯間が臭い!その予防方法について
そもそも、歯と歯の間の臭いは、歯垢・歯周病・虫歯・被せものといった口内環境の悪化が原因です。つまり、最初から歯垢を除去し、歯周病を予防し、虫歯にならなければ、歯と歯の間の臭いがすることもありません。
これらの病気は、日頃のちょっとした心がけで簡単に予防することができます。歯と歯の間の臭いを予防するために、まずは健康な歯を目指しましょう。
歯磨きの回数とタイミング
歯磨きの回数は、1日3回の食後が基本とされています。しかし、可能であれば昼食と夕食の間にもう1回から2回歯磨きを追加するのが理想的です。
歯を磨くときには、これまでに紹介した歯間ブラシやデンタルフロスをしっかり用いて、歯と歯の間の食べかすや歯垢を除去しましょう。
また、歯ブラシを用いる際には、歯の表面を磨くだけでなく、歯と歯茎の間に歯ブラシの先を当てるようにして磨くことで、歯周病を予防することができます。
口臭予防のためには、歯磨きのタイミングは食後30分程度開けてからの方がよいとされています。これは、食後30分間は口内で唾液がよく分泌されるためです。唾液には口内をアルカリ性に保つ働きがあります。
口内細菌は酸性の環境下でよく働くため、唾液によって口内をアルカリ性に保つことは、口内細菌の働きを低下させることに繋がります。唾液が出ているうちに歯磨きをしてしまうと、折角アルカリ性になった口内を流してしまうことになりますから、注意が必要です。
歯医者での定期検診
日常のセルフケア以外におすすめなのが、月に1度程度歯科医院で定期検診を受けることです。現在の歯科医院では、健康保険の範囲内で定期検診を受けることができます。
この定期検診では、歯と歯の間や歯と歯茎の間など、自分では磨きにくい部分を含めた歯全体をクリーニングしてもらうことができます。
もちろん歯垢や歯石が溜まっていればそれを削り取ってもらうこともできます。歯石は歯周病の原因となりますし、虫歯も放っておけばどんどん悪化して悪臭を放ちます。
月に1度程度歯科医院に通うことで、自分では気づかなかった歯石を除去してもらったり、まだ黒くなっていない虫歯を治療してもらったりすることができるのです。
大人になっても虫歯の治療が苦手な方は多くいますが、虫歯の治療は初期であればごく短い時間で簡単に済みますし、麻酔の注射も要りません。歯医者さんが苦手な方こそ、定期的に歯科検診を受けることで、いやな思いをしなくて済むというわけです。
また、多くの歯科医院では、定期検診時に、日常のセルフケアに対するアドバイスがもらえます。
その人の歯の特徴や生え方、過去の虫歯の傾向などから、個々人に最も合った歯磨きの仕方や、選ぶべき歯ブラシのタイプ、おすすめの歯間ブラシなどを教わることができるでしょう。
子供の頃は、しばしば歯磨きの指導をされた方も多いと思いますが、大人になってから歯磨きの仕方を改めて習う機会はなかなかありません。定期的に歯科医院に通うことによって、日頃のケアをブラッシュアップすることが可能なのです。
まとめ
歯と歯の間で気になる悪臭が気になるのは、日頃から歯間ブラシやデンタルフロスを用いてしっかりとケアをしている証拠でもあると気付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今後も歯間ケアを続けながら、今回の記事の内容を参考に口内環境を改善してくださいね。
以上、「歯間ブラシとフロスが臭う!? 歯間に潜む臭いの原因とは?歯周病・虫歯・歯垢・歯石、その臭い元とは」でした。