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歯科医が解説!30~40代から虫歯が増える原因とは?そのセルフケア法もチェック!

虫歯といえば「子どもに多い歯の病気」と考える方も、いまだに多いのではないでしょうか。

しかし近年は育児情報などで子どもの虫歯に関する話題が多く取り上げられるようになったほか、虫歯予防に効果的なフッ素も昔に比べ広く普及してきています。それらのことが功を奏し、今では子どもの虫歯は年々減少傾向にあります。

その一方で反対に増え続けているのが「大人の虫歯」です。その総数は30~40代でピークとなり、35歳から75歳までの人の95%は虫歯になった経験を持っています。

そこで今回はなぜ大人の虫歯は減らないのか、特に30~40代の虫歯予防で気をつけておきたいポイントなどについてお話ししていきたいと思います。

30~40代で虫歯が増える5つの理由


大人の虫歯は30~40代ごろピークを迎え、また近年は高齢者の虫歯も増加傾向にあります。ここでは大人の虫歯の特徴をふまえ、30代以降に虫歯が増える原因についてご紹介していきます。

虫歯の進行が遅い

同じ虫歯でも、子どもと大人で大きく異なるのが進行スピードです。子どもの歯は未熟なため柔らかく、虫歯になると一気に進んでしまう特徴をもっています。

一方で永久歯が成熟した大人の虫歯は進行がゆっくりで、「歯がしみる」「痛い」といった症状が出だすのに時間がかかることも。そのため発見が遅れやすく、30代以降になってようやく虫歯に気づくといったケースも多くなります。

歯ぐきが下がり、歯根が露出する

30代を過ぎると、気になりはじめるのがお肌のたるみ。これは加齢とともに皮膚のコラーゲンが減少しはじめることが原因の1つとして考えられますが、実は同様のことが歯ぐきにもおこります。

歯ぐきも皮膚と同じくコラーゲンが含まれるため、年をとってコラーゲンが減少すると弾力を失い「歯ぐきがやせた」状態になります。そして歯ぐきがやせて下がってくると、それに覆われていた歯根(歯の根っこ)の一部が表にあわられてくるのです。

歯の表面には硬いエナメル質があり、ある程度虫歯の進行を抑えてくれますが、歯根の表面にはそのエナメル質がありません。そのため歯ぐきが下がり、歯根が露出するとその部分は他の部位よりも虫歯になりやすく、また進行も早くなります。

唾液が減少する

先のコラーゲンのように、加齢とともにお口の中で減少していくのが唾液です。唾液はお口の中を潤して舌の動きを滑らかにする以外に、食べかすや細菌などを洗いながす働きをもっています。

この唾液が減少するとお口の中が不衛生になりやすいため、虫歯になるリスクも高くなります。また唾液が減ってしまうことは、歯周病の悪化や口臭の増悪とも深く関わっています。

過去に虫歯の治療をしてる

虫歯は「削って埋める」しか治療法がありません。そして埋めた(もしくはかぶせた)人工物と歯の間にはわずかにすき間ができ、そのすき間は虫歯菌にとって恰好のすみかとなります。つまり虫歯になった歯を削るということは、次に虫歯になるリスクを高くすることでもあるのです。

また大きな虫歯になって歯の神経を抜いてしまうと、次に虫歯になってもその歯は痛みを感じることがありません。そのため虫歯になっても発見がおくれやすく、「ある日突然歯が割れ、そこではじめて虫歯に気づく」といったケースもよくあります。

「仕事」「家庭」と何かと忙しい

30~40代という年齢は、仕事上において責任あるポストを任されたり、部下と上司の間で調整役を果たしたりと、色々充実してくる分ストレスなどを抱えやすくなります。また結婚や出産、育児などのライフイベントが立て続くなど、30代以降は何かと忙しく、自分のための時間を割くことが困難になっていきます。

このような忙しさの中で、「歯の健康にまで手が回らない!」というのは至極当然といえるでしょう。ただその結果、30代以降に虫歯増え始めてしまうのも事実です。

大人の虫歯で気をつけたい3つのセルフケア


30代以降に増えだす虫歯に備え、毎日のケアで気をつけておきたい3つのポイントをご紹介します。

就寝前の歯磨きを忘れない

歯磨きの理想は「毎食後1日3回」。ただ忙しい日々をおくる30代、40代にとってそれは難しい課題かもしれません。そこでせめて1日2回朝晩の歯磨きはおこなうようにし、そのうち1回はしっかり時間をかけて磨けるよう心がけてみてください。

虫歯予防において歯磨きが特に効果的なのは、就寝前です。寝ている間は唾液の分泌が少なくなるため、虫歯菌が繁殖しやすくなります。この時間帯にできるだけ虫歯菌を増やさないよう、寝る前の歯磨きは十分時間をかけておこないましょう。

デンタルフロス・歯間ブラシを活用する

就寝前の念入りな歯磨きに、ぜひデンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃器具をプラスしてみてください。大人虫歯が発生しやすいのは、「歯と歯の間」と「歯と歯ぐきのきわ」です。この部位にたまる汚れは歯ブラシだけで落とすことはできないため、1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシで丁寧に汚れを取り除いていきましょう。

暴飲暴食は控える

虫歯予防=歯磨きとすぐに思いがちですが、実は虫歯のなりやすさは歯磨きの回数よりも食生活のほうに大きな影響を受けます。特に時間を決めずに飲食する「ダラダラ食べ」「ダラダラ飲み」は虫歯の発生リスクを高くする最も大きな要因です。

「食事はバランスのとれたものを時間を決めて食べる」「就寝前は食べない」「飲みすぎは控える」とったことは体の健康のみならず、虫歯予防においても基本中の基本となります。

まとめ


「虫歯は子どもがなるもの」というのはもう昔の話。深刻な問題を抱えているのは、30代以降から増えだす大人虫歯です。歯は再生する力を持たない組織であるため、虫歯になって歯を削ることは、そのままその歯の寿命を縮めることにつながります。

忙しい中でも自身でおこなえる虫歯予防にしっかり取り組み、生涯で1本でも多くの歯を残せるよう努めていきましょう。

 

執筆の歯科医師

歯科医師として約10年働いてきた経験を元に、歯科の専門情報を皆さまにわかりやすくお届けします。

  • この記事を書いた人

株式会社いいの製薬

お口を清浄にし、口臭を防ぐ効能効果のある「ルブレン」発売元の株式会社いいの製薬です。<日本口臭学会会員><未病産業研究会会員>

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