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歯科医師が解説!親知らずを抜いて口臭がする原因と、クリニックでの治療方法、また自宅でどんなケアをすべきか

これまで口臭をまったく感じたことがなかったのに、親知らずを抜歯したとたんに臭いが強くなると不安になりますよね。

しかし親知らずの抜歯後に口臭が強くなることは決してめずらしいことではなく、ある意味避けられないものでもあります。またこれまで口臭のなかった人であれば、あくまで一時的な口臭ですのでそれほど心配する必要はありません。

今回は親知らずを抜いた後、口臭が強くなる原因やその対処法についてご紹介していきたいと思います。

親知らずを抜歯して口臭の原因になるケース


それでは親知らずを抜いた後なぜ口臭が強くなるのか、またクリニックではどのような治療をおこなっているのかを詳しくみていきましょう。

なぜ、親知らずを抜歯して口臭がするのか?その原因とは

親知らずの抜歯後に口臭が発生する原因には、以下の3つが考えられます。

抜歯した部位にたまった汚れ

親知らずを抜歯すると、その部位はしばらく歯ブラシが当てにくくなるため食べかすなどの汚れがたまりやすくなります。その食べかすが腐敗すると、生ごみが腐ったような嫌な臭いを発しやすくなります。

また歯を抜いた際にできた穴(抜歯窩)がふさがるには1カ月ほどかかり、さらにその下に新しい骨ができあがるには半年から1年の時間を要します。つまりこの期間は抜歯した部位に凹みが生じるため、汚れがたまりやすい状態が続きます。

傷口がある程度落ちつけば歯ブラシもしっかり当てることができるようになるので、しばらくの間はこまめに汚れを落としながら口臭を予防していきましょう。

抜歯後の出血

親知らずの抜歯した当日やその翌日ごろまでは、抜歯した傷からわずかに出血がみられます。お口の中には血液の成分を栄養にする細菌も多く存在し、この細菌たちが血液を分解する際に強い臭いのガスを発生させてしまいます。

しかしこの口臭は出血が落ちけば臭いもなくなります。後述する「抜歯後の注意点」をよく確認のうえ、まずは傷をしっかり治すことに専念していきましょう。

傷が膿んでしまう

抜歯後の傷の治りが悪く傷口が膿んでしまうと、膿の臭いで口臭が強くなります。

また傷をふさいでいた血の塊(血餅)がはがれてしまうと、抜歯してできた穴がむき出しの状態となるため治りがさらに悪くなります。この状態を「ドライソケット」といいますが、ドライソケットは激しい痛みをともなうほか、化膿による臭いもしばらく続くことがあります。

このような臭いを防ぐためには、抜歯後の過ごし方に十分注意して傷口の悪化を防ぐことが大切です。

抜歯して口臭がした場合のクリニックでの治療方法

抜歯後に口臭が強くなった場合、その原因が汚れの付着によるものであれば傷口の表面を消毒し、汚れを洗い落としていきます。

ただし抜歯した穴の奥に入り込んでしまった汚れをかき出すようなことはおこないません。なぜなら抜歯後の傷をあまり強く刺激してしまうと、かえって傷の治りを悪くして口臭を強くしてしまうからです。抜歯後の口臭を防ぐのは、なにより傷を早く治すことが先決です。

傷口の治りが悪く、化膿したりドライソケットになったりした場合は、傷口をこまめに消毒したり追加で抗生物質や消炎剤を投与しながら様子をみていきます。

 

自宅でどのようなケアをしたらよいか


先にも述べたように、親知らずの抜歯後に発生する口臭の中にはある程度避けられないものもあります。しかしその口臭を強くしないために、抜歯後は以下の点に十分注意しましょう。

抜歯をした日は強くゆすがない

抜歯後に出血が治まっても、抜いたその日はしばらく傷から血がにじみお口の中に不快感が残ります。だからといって抜歯したその日に強くうがいをすることは控えてください。

歯を抜いた後はその穴に血がたまり、その血が固まって「血餅(けっぺい)」というかさぶたのような塊ができます。この血餅が傷口をふさぎ、そこから新しい組織がつくられ傷を治していきます。抜歯後に強くうがいをしてこの血餅がはがれてしまうと傷の治りを悪くし、最悪の場合ドライッソケットをひきおこしてしまいます。

抜歯した当日はお口を軽くすすぐ程度にとどめるか、出血が気になる時が清潔なガーゼを咬むなどして対処していきましょう。

抜歯時に処方された薬はきちんと服用する

親知らずを抜歯すると、抗生物質(化膿止め)や消炎剤、痛み止めなどが処方されます。このうち抗生物質は傷口に細菌が増殖するのを抑え、傷の治りを早くします。たとえ抜歯後に痛みや腫れがなくても、処方された薬は歯科医師の指示通りきちんと服用するようにしましょう。

抜歯時の歯磨きの注意点

親知らずを抜歯した後でも、歯磨きをすること自体は問題はありません。ただ抜歯当日は傷口付近に歯ブラシを当てるのを控えましょう。また歯磨き剤は刺激が強く、うがいの回数も増えてしまうのでしばらく使用を控えます。

傷口に特に異常がなく、歯科医師の許可が下りれば翌日から傷口近くの歯磨きもおこなうことができます。しかし口臭が気になるからといって傷口に強く歯ブラシを当てると、傷口の治りを悪くしてしまうので注意しましょう。

口腔内を清潔に保つ

親知らずの抜歯後は食べかすがたまりやすく、不衛生になりがちです。歯ブラシが十分に当てられない時は、うがい薬で消毒するなどしてお口の中を清潔に保つよう心がけましょう。うがい薬は希望すれば歯科医院でも処方してもらえます。もし市販のうがい薬を使用する場合は、アルコール無配合で刺激の少ないものを選びましょう

体の免疫力が落ちない生活をする

親知らずの抜歯後に口臭を強くしないためには、まずきちんと傷口を治すことが大切です。そのため抜歯後は規則正しい生活を心がけ、体の免疫力を低下させないよう注意しましょう。

まとめ


親知らず抜歯後の口臭を予防するためには、お口の中を清潔に保つこと、そして傷口を早く治すことが肝心です。多少の臭いは避けられない場合もありますが、抜歯後の過ごし方に十分注意してつらい期間を乗り切っていきましょう。

 

執筆の歯科医師

歯科医師として約10年働いてきた経験を元に、歯科の専門情報を皆さまにわかりやすくお届けします。

  • この記事を書いた人

株式会社いいの製薬

お口を清浄にし、口臭を防ぐ効能効果のある「ルブレン」発売元の株式会社いいの製薬です。<日本口臭学会会員><未病産業研究会会員>

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